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季節のスキューバダイビングの魅力とダイバーの注意点とは?

ドルフィンアイズダイビングスクール、校長の大川です。
季節は春から夏に変わり始め、梅雨明けまでもう少し。ドルフィンアイズのある小田原も田植え後の稲がすくすく成長し、アジサイがだんだんと終わりを迎えている感じです。
陸上にも春が訪れるように、海の中にも春が訪れます。
そう!ダイビングでは水中の四季を感じることができます。
日本の海はパラオやサイパンなど、海外の有名どころの海と比べて四季の違いがハッキリわかりますが、神奈川の海では更に激しい猛烈な四季を感じることができる、これがスキューバダイビングの魅力の1つなのです。
今回は神奈川の海のそれぞれの季節の見どころと、ダイバーの注意点を解説してみます。


目次

春の海中
春のダイビングの注意点
夏の海中
夏ダイビングの注意点
秋の海中
秋ダイビングの注意点
冬の海中
冬ダイビングの注意点



「春」の海中


水温が上がり始め、冬に育った海藻たちが子孫繁栄と言う1つ目の役目を終え、2つ目の役目に向かいます。それは食物連鎖の根っこ、植物プランクトンになる事です。海の中は多くの植物プランクトンで賑わい水の色を緑にします。残念ながら透明度は落ち、これを「春濁り」と呼んでいます。来るべき夏に魚たちが大きく成長するための舞台が完成するのです。自然が作る物には1つとして無駄なのもがないと感心させられますね。
生物ではダイバーに人気の「ダンゴウオ」が成長し撮影しやすくなります。また、5月くらいからアオリイカの産卵が始まります。昼間に産卵しますので、大きなイカのペアを目の当たりにすることができるでしょう。

春ダイビングの注意点


注意が必要なのが「中性浮力」です。ただでさえ視界が限られるのに、更に中性浮力ができていないダイバー達が砂を巻き上げて透明度を悪化させます。更には自分に自信のないダイバー、スキルに自信のないダイバーがその透明度にドキドキして海中を楽しむどころか、パニックダイバー予備軍となり周囲へ迷惑をかけることもあります。ダイバーなら常に中性浮力を意識し、毎回のダイビングはいつでも中性浮力の練習だと思って潜りましょう。また、マスククリアをはじめとする基本スキルは毎年アップデートしていつでもできるよう準備しておくできでしょう。



「夏」の海中


水温はさらに上昇し、活発になった魚たちがどんどん捕食を始めます。
カンパチやイシダイなどの幼魚が産まれるシーズンでもあります。特に白黒のシマシマのイシダイの幼魚は大きな魚にくっついて泳ぐ習性があるので、ダイバーが水面を泳いでいるとダイバーについて泳いだりします。「俺の事、親と思っているのかな?」なんて錯覚に落ちながら、陸上の暑さを忘れて海の快適さに酔いしれます。また「季節来遊漁」と言う生物たちが出現し始めます。沖縄など本来南の海に住んでいる生物たちが、黒潮と言う海の大きな海流(海中になる川の流れのようなもの、いつもほぼ同じ方向に流れている)に乗ってやってきます。誰が見てもこれ「ザ★南の魚」でしょ!と言わんばかりのフォルムでダイバーの目の前を泳いでいます。

夏ダイビングの注意点


この季節ダイビングを始めよう!と思う人が多く、Cカード(一般的にライセンスと呼ばれているもの)取得コースがたくさん開催されています。裏を返せばビギナー率が一番多い季節です。残念なことにCカード取得コースを雑に開催しているお店も多く、特に低価格で開催しているお店は年間にたくさんの講習生をこなすので、1人1人のケアが行き届かず、結果スキル不足、練習不足なのにもかかわらず「認定Cカード発行」となります。そんなダイバーがを作り出すお店も悪いですが、受講生側にも少しは問題があると思います。講習では命を預けるわけですから「この店は信用できるか?」「こんな値段でおかしくないか?」と考えるべきかと思います。Cカード取得の時は担当するインストラクターと直に話をして安心できるお店で受講しましょう。
また、ダイビング中は乾燥した空気を吸います。湿度は10%未満の空気を吸い続けるわけですから、体から水分が抜けていきます。より熱中症になりやすいですし、体内の水分低下は減圧症の危険も増大させます。トイレの心配はありますが、水分は多く取ることを心がけてください。


 

「秋」の海中


神奈川の海では一般的にベストシーズンと呼ばれる季節です。
水温はまだまだ高く、透明度は上がり、季節来遊漁は大きく成長しダイバーを楽しませてくれます。カマスの大群やワラサやブリ等の回遊魚が餌を追っかけまわし、迫力のあるシーンが見れます。一方ウミウシ類も多く見れるようになります。ワイド(大きな魚たち)もマクロ(小さな生物たち)も両方ガッツリ楽しめ、更には陸上も快適、水中も快適、言う事ない季節と言っても良いでしょう。

秋ダイビングの注意点


夏にダイビングの魅力にハマったダイバーはそのまま経験を重ね、素晴らしい秋の海で更に経験を重ねます。経験はとても重要なものですが、時として悪いものにも変わります。ダイビング本数が10回を越えるこの頃、実はちょっとした危険が迫ってきます。
それは「慣れ」
最初はおっかなびっくりだったダイビングが少し慣れてくると安全意識が少し薄れます。簡単なミスをするようになります。「自分はダイビングが出来るようになった」と錯覚する方もいます。簡単なミスは重大な事故へ繋がりかねません。インストラクターに「自分に足りないスキルは何か?」を聞いてみてください。明確な答えが返ってこないインストラクターは仕事放棄をしています。


「冬」の海中


気温は下がり1ケタになることもしばしばのこの季節、実は水温は遅れて下がっていきます。12月の水温は18℃前後、気温と水温は完全に逆転します。私個人としては12月がベストシーズンだと思っています。
理由は…
①ウエットスーツでしか潜らないダイバーは消え、たくさんのダイバーでゴチャゴチャする感が全くなくなり落ち着きます
②季節来遊漁は成長が止まりますが、動きも鈍くなる分ので写真撮影が簡単になります。
③透明度はMAXになってブルーな水がダイバーを包み込みます。
④キアンコウなど冬ならではの生物や深海魚が見られます。
ホントこの季節を潜らないダイバーは損をしていると思いますよ。

冬ダイビングの注意点


年間通じてほぼほぼドライスーツが重宝する神奈川の海ですが、この季節は更にドライスーツの恩恵を受けます。しかしながらドライスーツはウエットスーツより多くウエイトが必要だったり、スキルが伴わず「浮きやすい」と言う誤解を招きます。また教える技術のないインストラクターや、吹上が怖いインストラクターがたくさんのウエイト(オーバーウエイト)をお客様に付けさせ吹き上がるのを無理やり押さえつけている光景をよく目にします。その結果、中性浮力もままならず、ドライスーツの扱いが難しくなり、ドライスーツダイビングが嫌になると言う悪循環を招きます。一方お客様は適当過ぎるインナーをたくさん着た挙句「寒い寒い」を連発します。ドライスーツダイビングに適したインナーを適度に着なければ暖かくは潜れません。水中は甘くないのです。
快適に潜る為にはドライスーツテクニックをしっかり身に着け、どんなインナーが適しているかを考える必要がありますね。


まとめ


今回は四季折々の海中の様子をお伝えするとともに、それと関連付けてダイバーの注意点を挙げてみました。
ダイビングは非常に楽しく、ダイバーにならなければ絶対に体験することのできない素晴らしい時間をくれます。
そして海は新しい発見の連続です。こんなエキサイティングな事ってありません。
しかし、潜っているその時間が素晴らしいものになるか?非常に残念な時間になるかはダイビングスキルによると言っても過言ではありません。
その重要性を再認識して、スキルに自信のある方も一度インストラクターに相談して下さい。
ドルフィンアイズはダイビングスクールとしてその点の手抜きは一切しません。
それではまた!

筆者:大川 厚

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