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ダイビング初心者必読!ダイブコンピューターについて



 「コンピュータ」と聞いて皆さんの頭の中に出てくるイメージはどのようなものでしょうか?
本体とディスプレイ、キーボードとマウスがあって…
もしくはスマホやタブレットを想像する方もいらっしゃるかもしれません。
いづれにせよコンピューターは水に弱い、そんなイメージもあるかと思います。
 でも現代のダイバーは「ダイブコンピューター(略してダイコン!?)」なるものを持って潜っています。一体全体、ダイバーはなぜコンピューターを水中に持っていくのでしょうか?そしてなぜ必携なのでしょうか?

 今回のコラムではその辺りをお話ししていきたいと思います。


目次

  • そもそもダイブコンピュータとは?
  • 減圧症に罹ってしまうのはどんな時?
  • 自己所有するのが当たり前?
  • まとめ

そもそもダイブコンピュータとは?


 まず、初めにダイブコンピュータとは何なのかをご説明します。
 あまり知られていないことですが、実はコンピュータとは「計算機」のことです。水中である計算をずっとし続けてくれるのがダイブコンピュータと言うわけです。
 それでは何の計算なのでしょうか?
 実はダイビング中、吸い込んだ空気の中に含まれている「窒素」が体の中の様々な部分に蓄積されていきます。空気には当然酸素も含まれていて、酸素は体の中に入って生きるために使われ、二酸化炭素として出ていきます。しかし、窒素は何の役にも立ちません。
窒素として体の中に溜まり、浮上後は窒素として出ていきます。ここだけ聞くと何の問題もないように思えますが、窒素が原因となって俗に言う「潜水病」、正確には「減圧症(げんあつしょう)」や「潜函病(せんかんびょう)」と言う病気に罹ってしまうのです。


減圧症に罹ってしまうのはどんな時?




  • 窒素を溜めすぎた(深く潜りすぎた、長く潜りすぎた)
  • 窒素を溜めた状態で急浮上した
  • ダイビングとダイビングの間の休憩が短かった
  • ダイビング後、飛行機に乗ったり高い山に登ったりした
 
このような状態にならないよう、ダイバーをアシストしてくれるのが「ダイブコンピュータ」です。
 
窒素を溜めすぎた(深く潜りすぎた、長く潜りすぎた)
 
 ダイブコンピュータには水圧センサーが内蔵されており、現在の水深と潜り始めてからの経過時間を知ることができます。このデータを元に、今どのくらいの窒素が体内に蓄積されているのか随時計算します。計算で出た答えは画面に「あと何分潜ったら減圧症になりやすくなるのか」と言う意味の無減圧限界時間で表示され、窒素を溜めすぎないようダイバーを安全方向へ導いてくれます。
 
 
窒素を溜めた状態で急浮上した

 
 浮上スピードは9m/分が良いとされており、速すぎても、遅すぎても良くないのです。そして自分のスピードがどのくらいなのか、非常にわかりづらいのが現状です。ダイブコンピュータはダイバーが浮上を開始すると自動的に浮上スピードを表示し、スピードオーバーなら警告音を出してダイバーに注意を呼びかけてくれます。(機種によっては音が出ないものもあります)
 
 
ダイビングとダイビングの間の休憩が短かった
 
 その日の最初のダイビングを終え陸上で休憩すると、呼吸によって窒素は口から出ていき、ダイバーの体はどんどん減圧症になりづらい状態になっていきます。しかし、短い休憩しかせず次のダイビングをすれば、多くの窒素を体内に残したまま次の窒素が溜まることになり、減圧症になりやすい状態になってしまいます。ダイビングコンピュータは休憩時間を表示し、ダイバーが短い休憩時間とならないようアシストしています。
 
 
ダイビング後、飛行機に乗ったり高い山に登ったりした
 
 ダイビング終了後すぐに標高の高い場所へいくことで減圧症になってしまう事があります。細かい理由はここでは説明しませんが、特に飛行機搭乗は要注意です。一般的にダイビング終了後の飛行機搭乗は18〜24時間経ってからが良いと言われています。ダイビング後、ダイブコンピュータの画面を見ると「今、飛行機乗っては危ないですよ」と言うマーク表示が出るものが普通で、ダイビング時だけでなくその後もダイバーをアシストしてくれます。

 
他にも色々な機能がありますが、計算機としての主な役割はこんなところで、これがダイバーがなぜダイブコンピュータを持って潜るのか?なぜ必携なのか?と言う理由でもあります。


自己所有するのが当たり前?


ダイブコンピュータをレンタルして潜ることは非常に危ない事です。
他のダイビング器材と違って、ダイブコンピュータは機種それぞれで使い方が変わります。
表示される数字の意味がわかっていなかったり、設定が間違っていれば一緒に持って潜る意味が全くないばかりか危険な状況になる可能性もあります。
そのために自分のダイブコンピュータを購入し、画面に出る数字の意味や使い方を早く覚えて、ダイビングの時は必ず自分の慣れ親しんだダイブコンピュータで潜るようにしてください。
これは初心者でも熟練者でも同じ事です。むしろ初心者だからこそ慣れが遅いので早く購入するべきです。



まとめ


 使い方のわからないダイブコンピュータをレンタルして潜ることは非常に危ない事です。
「これからダイバーになりたい」「既にダイバーだがダイブコンピュータは自己所有していない」と言う方は早めに購入してどんどん慣れて行って下さい。また、ダイビングスクールでダイブコンピュータコース(スペシャルティ)を受講して、自分のダイブコンピュータがどんなものなのか?使い方は?などしっかり教えてもらい、理解して下さい。

 自分の体を大切にして素晴らしいダイビング経験を積んで行ってくださいね!


筆者:大川 厚

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